【事件】銀行融資で不正疑い。りそな銀元社長が顧問の不動産会社

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不動産会社が顧客に十分な自己資金があるように見せるため、顧客のネットバンキング画面の口座残高を偽造して銀行側に示し、融資を引き出しやすくしていたとみられる事件が発生しています。

朝日新聞5月6日の報道です。

その不動産会社の経営陣に顧問としてりそな銀行の元社長の名前があることから、

りそな銀行も絡んだ融資ではないか?という疑いも出ています。

まるで、スルガ銀行の「かぼちゃの馬車」融資と同じような事件です。

連休明けに、各社が一斉に裏付けに動くでしょう。

コロナ不況で各銀行は自らも感染するかもしれないリスクを負いながらも、必死で相談業務に邁進するさなか、

あたかも銀行が不正に関与していると見られる報道が出てしまいました。

まずは、朝日新聞の報道内容によると、

「りそな銀行元社長が顧問の不動産会社が、物件価格が高いように装うなどして過剰融資を引き出すなど不正に関与していた疑いがあることがわかった。一部の銀行融資では顧客のネットバンキング画面を偽造し、顧客の資産が多いように偽る事例も浮上している。

問題の会社は東京都内にあり、ここ数年で新築アパートを少なくとも数十棟販売。「極小ワンルーム」を売りに、テレビや新聞などでも取り上げられた。会社のホームページでは今年3月まで、元りそな銀社長が「顧問」として紹介されていた。

同社の内部資料や顧客らの説明では、同社はりそな銀やみずほ銀、地銀の千葉銀(千葉県)や大光銀(新潟県)などに顧客を紹介。実際よりも高い物件価格を銀行側に示して過剰な融資を引き出していた疑いがある。一部では、顧客に十分な自己資金があるように見せるため、顧客のネットバンキング画面の口座残高を偽造して銀行側に示し、融資を引き出しやすくしていたとみられる例もあった。

この不動産会社の顧客のひとりは朝日新聞の取材に対し、「自己資金なしで投資できるスキーム(仕組み)があると教わった。ネットバンキングの画面は『いじります』と言われ、『え?』と思ったが、みんなやっていると聞いて受け入れた」と認めた。この顧客の場合は融資を受けたお金が1千万円単位で余り、そのお金は別の投資にあてたという。」

以上、朝日新聞参照。

りそな銀行社長が顧問に就任した会社とは2019年ネット検索記事のよるとこの不動産会社が出てきました。

「事業内容: ★東京23区で、新築RCマンション・木造デザイナーズアパートの開発事業を行っています。★弊社顧問

◎元りそな銀行社長・現東京タワー会長 水田廣行様

■一級建築士設計事務所登録/東京都知事登録 第●号」

朝日新聞には「極小ワンルームを売りに、テレビや新聞などでも取り上げられた会社、との説明があるので

同社の事業内容と照らし合わせると

会社説明HP=「これまでのワンルームタイプの部屋の面積は20 m² 程度でした。○○ の面積はその半分、9 m² ですが、天井をこれまでのアパートでは考えられないくらい高くし、余裕のあるロフトを置くことができるようにしました。
ですから、写真で見ていただくとわかるように、入居者の方は工夫次第で余裕を持って暮らしていらっしゃいます。
このような設計を考え抜き、面積を狭くすることで同じ街で家賃を「2万円~3万円」低く抑えることができます。」

投資家向けの説明では「投資の側面から考えてみましょう。家賃は面積が小さくなればなるほど、面積あたりの単価が高くなるという性質があります。つまり、家賃の単価を上げられるということです。通常のワンルームと比較すると、平米単価が倍以上になります。また、当然ですが、1 部屋当たりの面積が半分になりますから、単純に総戸数が2倍になります。収益性が高くなるのはそういう理由です。
恵比寿、中目黒といった超人気エリアでは、通常、利回りは4%~5% ですが、利回り7%超を実現することが可能になります。」

利回り7%をうたって投資家を集めているようです。

この会社かどうかは分かりませんが「一物件一スキーム」という方法で銀行から過剰な融資を引き出す方法も問題視されています。このスキームでは、個人が借り入れする時は個人の与信範囲になりますが、物件ごとに法人を設立し、その会社が銀行から借り入れるという策で、個人の借り入れられる範囲を大きく超えて融資が受けられます。

通常なら銀行側が名寄せすればわかるのですが、業績を上げるために積極的に融資していた銀行もあるようです。

不動産会社が、こうした手口を使う理由は、顧客を多く抱えて不動産に投資させたい狙いもあるでしょうが、

それとは別に、高い値段の売買契約を締結して、あとで、契約金の一部をキャッシュバックする業者も存在します。

今回の朝日の報道で、この不動産会社の企業名は伏せられていますが、まもなく明らかにされるでしょう。なぜ、朝日新聞が伏せたのかが疑問ですが、おそらく朝刊時点では、顧客の証言の裏付けが間に合わなかったのでは。

一番大きな問題は、顧客のネットバンキング画面の口座残高を偽造していたこと。不動産会社が指導したのか、もしくは多くの額の融資実績を作りたい銀行側の指導関与があるのか?

顧客の証言もあり本当だと仮定すると、実際よりも高い物件価格を銀行側に示して過剰な融資を引き出していた疑いがある、つまり融資を多く借り入れていて詐欺罪に問われます。

ここでさらに問題は、この融資に銀行側が関わっていたのかどうか?スルガ銀行のケースは銀行員が積極的に借り入れ資料の改ざんに関わっていました。理由は過剰なノルマでした。

今後の報道で銀行の関与に問題が移ります。

ただ、朝日新聞の見出しには「りそな銀行の元社長が顧問」とあるだけで、顧問が関与したとは書かれていません。

たまたま、顧問に就任していて、この不動産会社が顧客に投資用の不動産を買わせるために、資産を改ざんしていた、と読むのが普通でしょう。

記事をちゃんと読んだ印象ですが、思わぬ形で紹介銀行として「みずほ銀、地銀の千葉銀(千葉県)や大光銀(新潟県)などに顧客を紹介」と名指しされた銀行も不正関与が疑われるかもしれません。

この取材記事は、コロナショックで家賃が滞納になりそうな人や家賃収入が滞りそうな家主に、現在の苦境を取材している途中で、話が出てきたのかもしれません。コロナショックがあぶりだした銀行融資の闇です。

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