銀行員がコロナに感染。三菱UFJ銀行の江南支店で。BCP計画見直しに波及。

銀行員 コロナ
この記事は約6分で読めます。

愛知県江南市の三菱UFJ銀行の行員が、新型コロナウイルスに感染していたことが分かりました。この報道を受けて、全国の金融機関が対応を迫られる事態になります。これまでも多くの感染者がいることは報道されてきましたが、その職種や勤め先企業名、今回は支店名まで全国ニュースになったのは初めてです。銀行の本部は感染者が出た場合の広報体制や支店業務のあり方、事業継続などあらゆる角度から対応が迫られます。銀行員と信金・信組職員はコロナ感染の場合、プライバシーがなくなることを覚悟しなければなりません。当然、該当店だけではなく、近隣店舗の対応もカギとなります。

出典・TBSニュース画像より

感染者発生。事件の概要は?

ついに、恐れていた事が起きました。しかも、予想以上に早くです。三菱UFJ銀行の江南支店で感染者が確認されました。 銀行員がコロナ感染 という非常事態です。

27日朝からTBSをはじめ、全国メディアが一斉にこの感染者発生を報道しています。

報道によると、「感染が確認されたのは江南支店の男性行員で、年齢は明らかにされていません。

 三菱UFJ銀行によりますと、この行員は25日、仕事を終え帰宅した後、38度を超える熱が出たため医療機関を受診し、26日、感染が確認されました。現在、容体は安定しているということです。この行員には最近の海外渡航歴はなく、窓口業務ではないものの顧客との接点がある仕事をしていたということです。

 銀行は店舗を消毒したうえで27日朝から通常営業していて、来店者には口頭で感染者が出たことを説明しています。三菱UFJ銀行は感染拡大を防ぐため、この行員と接触した可能性のある同僚や顧客を調べています」

(以上、引用元TBSニュース番組から)

三菱UFJ銀行の対応は?

三菱UFJ銀行では、27日にこのように公表しています

昨夜、当行江南支店(愛知県江南市)に勤務している行員1名が、新型コロナウィルスに感染していることが判明いたしました。

当行は、お客さまと行員の安全を最優先に考え、関係機関と連携し、感染拡大の抑止に努めてまいります。感染者が発生した支店において、現時点で以下の対応を取っております。

・江南支店における感染者の行動歴、ならびに濃厚接触の可能性のあるお客さまの調査
・濃厚接触の可能性のある行員に対する自宅待機の指示、その健康状態の経過確認
・支店内の消毒作業の実施

お客さまへの感染拡大を抑止することを優先し、近隣店へご案内させていただく場合もございます。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

尚、当該行員は2月25日に発熱し医療機関にて受診。26日に新型コロナウィルス陽性と判明し、医療機関に入院予定(容態は安定)。当該行員に直近の海外渡航履歴はございません。

行員感染の場合は、企業名・個人情報をどうするのか?

江南支店のある愛知県では、27日10時現在までに感染例は25例が報告されています

そのほとんどが住まいのある地域(名古屋市内在住とか)と年代、性別のみが報道されてきました。

しかし、今回の感染者は、勤め先として銀行名と支店名まで公にされています。

おそらく、渉外係など顧客と接点があるため、接触者からの発症も考慮して公表に踏み切ったのでしょう。つまり、金融機関の発症者は支店名まで公表するのが先例となりました。もはや、個人情報保護などと言っている場合ではありません。

しかし、TBSニュース番組では、該当インタビューで同支店に来店した女性にインタビューして感染者が支店内で出たことを告げると「だったら、よその銀行に行く」と立ち去っていく姿が放映されました。まさに、マスメディアがパニックを誘発している映像です(当事者は気が付いていないのか?)。

おそらく、このニュースを見たり聞いたりした人は、風評を流すでしょうし、江南という地域をパニックに落とすかもしれません。親が三菱UFJ銀行勤めだというだけで「いじめ」にあう可能性だってあります。

マスコミ側も、感染者と個人情報、企業名、風評、多くの点で反省が必要です。

三菱UFJ銀行は愛知県では東海銀行の流れを引き継ぐ地域です。江南市の指定金融機関も同店でしょう。同行が多くの支店をリストラして店舗内店舗で統合していますが、今も支店が存在しているということは、母店クラスだったと思われます。簡単に店舗を閉鎖できない事情がありそうです。

コロナ感染時の銀行の対応の試金石に

医学的見地ではなく、銀行という企業としてコロナ感染について、検証します。

まず、今回の感染者発生で一番課題となるのは、「広報するのか」という点。地域のパニックを誘発することも考えられますし、銀行員でない他の感染者も、ある程度の企業に勤めていればお客との接点や取引先との接触など考えられます。

なぜ、銀行だけが支店名などを取り上げられるのか?疑問もあるでしょうが、もしも、顧客に感染させた場合を考慮すれば、広報するのがパニックを低く抑える効果があると考えます。もしも、後で地域に知られてしまった場合、地元から袋叩きに会います。やはり、金融機関は特別な仕事であることを考えさせられます。

そして、BCP計画の見直しも波及します。今回のケースでは濃厚接触者として支店行員10人が待機命令となりました。つまり、たった一日で支店行員10人を入れ替える必要が出たのです。

たまたま、三菱UFJ銀行江南支店は母店クラスなので支店に勤務する行員が60~70人ほどいます。そのなかでの10人なので、営業店は回るでしょう。

もしも、これが地方銀行や信用金庫だったら、支店には15人から20人ほどしか働いていません。濃厚接触者にもなりやすいでしょうから、営業店行職員が10人待機となれば、支店運営出来ません。まさに、他人ごとではすみません。

BCP計画にコロナ感染対策を早急に組み入れを

BCP計画とは事業を継続するためのシュミレーションを盛り込んだマニュアルです。

東日本大震災以降、ほとんどの銀行で策定してあります。その中には「インフルエンザ」発症による支店対応などがきちんと盛り込まれています。

しかし、インフルエンザ発症のシミュレーションはせいぜい支店内で3人程度が発症した場合の応援体制などが盛り込まれた内容。今回のコロナ感染では、たった一日で10人の支店行員を交代させなくてはなりません。

10人の中には、支店長や次長も含まれているかもしれません。つまり、支店の管理責任者が不在になる想定を計画に盛り込んでいるのかどうか?

また、銀行は朝9時から支店を営業することが法律で決まっていますので、必ず店を開店させる鍵を持つ人が必要です。近隣から応援を集めるとして、誰がその責を担うのか?そして問題は現在の支店体制が、近隣の店舗もギリギリで運営している点。ましてや2月の月末の一番繁忙な日に、重なりました。

これが三菱UFJ銀行のような大手の、行員が6,70人いるような金融機関でなかったら・・・

支店を一時閉鎖することも選択になるでしょう。

期末に向けた業務の追い込みも無惨に

かつてのノルマ主義とまではいかなくても、3月末の期末に向けて銀行の営業店は実績作りに最も力を入れている時期です。江南支店で10人も行員を入れ替えるということは、もはや融資増など支店計画の遂行は達成できそうにありません。金融機関に勤めている人なら、この時期に支店のベテラン行員が抜けてしまうことが業績にどれほど影響するかわかるでしょう。

業績未達で、かつ、コロナ感染発生という地域のレッテルが貼られるなら、数年後には江南支店は閉鎖(店舗寧店舗として他の支店に吸収)に追い込まれるでしょう。支店閉鎖の悪影響は結局地元に返ってきます。

ひょっとするとこれを機に近隣のライバル金融機関がメイン取引を奪いに来る可能性もあります。

銀行員が感染した場合の対応について、今回の三菱UFJ銀行の対応は全国の先例になりました。

各金融機関はBCP計画を含めて、もしもコロナ感染者が発生した場合の訓練も必要になるかもしれません。

本日もブログを読んでいただき、ありがとうございました。

Tマガジンなら雑誌450誌以上が読み放題!初回1ヶ月0円!

コメント