3月2日(月)、伊予愛南支店に勤務している女性行員1名が、新型コロナウイルスに感染していることが判明しました。 愛媛県内で初めて新型コロナウイルスの感染者です。高知市で感染が確認された30代女性看護師と友人で、大阪市のライブハウスで行動を共にしていました。金融界から見たコロナ感染に関わる課題を整理します。
コロナ感染の概要。伊予銀と愛媛県の発表では。
コロナ感染の概要は、伊予銀行の発表によると
3月2日(月)、当行愛南支店に勤務している行員1名が、新型コロナウイルスに感染していることが判明いたしました。
当該行員は、新型コロナウイルス感染者が複数名発生した大阪市内でのイベントに参加しており、同イベント参加者の感染報道を受け、3月2日(月)に県立衛生環境研究所にて受診したところ、新型コロナウイルス陽性と判明いたしました。なお、当該行員は医療機関に同日より入院しておりますが、発熱や体調不良などの症状はなく、容体は安定しております。
当該行員が勤務している愛南支店は、店舗内消毒作業や代替要員の確保のため3月2日(月)の店舗休業を決定しております。愛南支店休業対応中の代替業務については、同店舗のATMコーナーにおいて受付対応をいたします。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。なお、ATMについては通常どおり利用可能となっております。
営業再開は3月3日(火)の予定となっております。当行では、お客さまと行員の安全を最優先し、関係機関と連携をとりながら、感染拡大抑止に努めてまいります。
なお、現時点で以下の感染拡大抑止に向けた取り組みを行っております。
- 銀行内、銀行外における濃厚接触者の確認
- 濃厚接触者の医療機関受診および自宅待機指示と健康状態の確認
- 店舗内の消毒作業
- 代替行員の確保による業務継続
愛媛県の発表によると、
「女性は2月15~16日に大阪府へ旅行。大阪市都島区のライブハウス「Arc」で15日、高知市の看護師と一緒にコンサートを観覧した。この会場には、感染が公表されている大阪市の40代男性ら2人もいた。
女性は大阪との行き来に高速バスを利用。2月17~20日に出勤し、21~23日には松山空港から飛行機で関東方面に旅行、25~28日は出勤した。
高知市の看護師から感染したとの連絡が29日にあり、女性は同日、宇和島保健所に相談。1日に簡易検査で陽性反応が出たため詳しい検査を受け、2日朝に感染が確認された。
同じ職場の23人も検査を受け、21人は陰性が確認されたが、2人は陰性が確定できず検査を続けている。同居の家族2人は陰性。女性は、高速バスや飛行機の中でマスクを着けていたという」。
伊予銀行愛南支店を臨時休業。支店休業は全国で第一号に。
3月2日の日本経済新聞で、「 銀行の店舗を巡っては金融庁が臨時休業を認める方針を固めた」と報道したばかり。つまり、金融庁は 伊予銀行の状況を把握したうえで、対応を決めたようです。
愛南支店の臨時休業は金融庁がコロナ対策として容認した支店休業の全国第一号になりました。
記者会見は頭取が出席。会見のポイントは3つ!
報道のあった2日13時から愛媛県庁で大塚頭取による記者会見が開かれました。
会見では、感染者の仕事について、「 窓口係として接客のほか、事務などを担当する内務係の行員」とし、
2月17日から28日までの間に店内でおおむね30分以上接客した客数人について「濃厚接触者」と判断していることを明らかにした。
支店については、女性以外に23人が勤務しており、2日は自宅待機としたが、夕方までに全員の陰性が確認され、 3日に再開する予定。 休業中は店内の消毒などを実施した。
会見では、
①「行員が感染したことで支店を休業したこと、地域の皆様にご心配をお掛けしていることについておわびする」と謝罪。
②行員の感染を発表した理由について「感染拡大防止が一番大事。お客様にもお知らせして注意喚起する意味もあり、公表すべき責任がある」と説明。
③「感染のリスクは等しくある。感染者に対して偏見や差別がないよう現場の責任者にサポートしてもらいたい」とした。
ポイントは①地域に謝罪②公表理由を明確に③今後の風評を抑える====内容を会見で訴えています。
銀行だけが企業名を明らかにされるリスクを負っています。
そして、今回の伊予銀を見ると感染した行員の名前までが明らかにされるリスクが明らかになりました。
おそらく地元では感染した女性行員の名前までも拡散され、風評被害につながる危険性を高めているでしょう。
全国でコロナ感染者が拡大しますが、銀行だけが感染企業として名前が公表されて、しかも、行員の個人までが特定されるという不条理に悩まされていることになります。
中国ではすでに銀行で紙幣やお金の消毒が始まっています。
風評リスクだけではない。業績悪化の懸念も
伊予銀行にとっても正念場。愛南支店にとって3月の支店休業は、業績追い込みシーズンだけに大きな痛手です。そして、銀行全体にも波及する問題にもなるでしょう。行員のモチベーションを下げるきっかけにもなってしまうためです。
テレビでお札についたウイルスの危険性を報道しだしたように、銀行員は感染者の持ち込んだ紙幣についたウイルスによって感染するリスクと、さらにその感染を他者へ拡大する両方のリスクにさらされています。
学校が一斉休業するように、銀行もお札の消毒が終わるまで、母店を除いて一斉に休業という選択も出てくる可能性もあるでしょう。
風評リスクの封じ込めがどこまでできるのか、伊予銀行の行方に注目が集まる。
本日もブログを読んでいただき、ありがとうございました。
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