職員が窃盗で逮捕。瀬戸信金が2月1日に改めてお詫びリリース掲載。

着服
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瀬戸信用金庫の職員が、顧客のキャッシュカードを不正に使用して現金100万円を引き出したとして逮捕されました。

1月31日に地元のテレビ局(メーテレニュース)が報じたものですが、職員逮捕を受けても瀬戸信金は会見を開きませんでした。

同信金のホームページは逮捕報道を受けて、2月1日に改めて「職員逮捕のお詫び」リリースを掲示しました

この事件が2月21日に新たな展開を見せました。被害者・被害額とも拡大しています。詳しくは、こちらに!

事件発生。着服ではなく「窃盗」で逮捕!

  https://www.fnn.jp/posts/10210THK 出展・東海テレビニュース映像(2月21日追加報道)

 窃盗の疑いで逮捕されたのは、瀬戸信用金庫の職員、杉浦克也容疑者(27)です。

 警察によると杉浦容疑者は1月7日と10日、顧客のキャッシュカードを不正に使用し、瀬戸市内のATMから現金合わせて100万円を引き出した疑いがもたれています。

1月31日、名古屋テレビの報道がきっかけに

まず、ここで事件を伝える瀬戸信金のニュースリリースをご覧ください

http://www.setoshin.co.jp/topics/index.files/2.1.24kohyo.pdf

1月24日にこのリリースを公表しましたが、この事件を最初に報道したのはメーテレニュースで、一週間後の1月31日19時です。

1月31日深夜からCBCテレビ、中日新聞、日本経済新聞が続々と報道を開始します。いわゆる、後追い記事です。その報道によって、被害者は80歳代の女性だったことが新たに判明しました。

通常ならこうした事件を担当する記者に向けて説明しながらリリースを配布するのですが、瀬戸信金は未配布だったのではないでしょうか?

同信金が22日に把握して、その2日後に公表したのは驚きました。これまでも多くの不祥事を取材してブログにしましたが、着服事件発覚の公表はだいたい20日から1ヶ月後くらいです(宮崎銀のように2か月後は遅い方ですが)。

もしも、22日に顧客からの問い合わせを受けて事件を把握したなら、次に該当の職員を本部に呼び、事件の詳細を聞き取りします今回の場合は7日と10日に引き出しているので、その確認と、当然、余罪がないか、キャッシュカードからの引き出しだけではなく、集金を着服したり、勝手に口座解約して不正に預金を自分のものにしていないかなど、本人から聞き取りしなければならないものが数多くありますそれだけではありません。容疑者が勤めていた支店は前任地を含めて、調査するのが一般的です。とても1日で把握できる聞き取り調査ではありません

(追記)被害者は信金ではなく、警察に駆け込んでいた。

2月2日になり、新しい事実が判明しました。

被害者は現金が不正に引き出されているのを発見し、そのまま警察署に駆け込んでいました

なるほど、これで、瀬戸信金の公表リリースに事件の詳細が書かれていない理由がわかりました

職員の身柄がすぐに拘束されてしまい、信金サイドでは聞き取りができなかったのでしょう。

◆一般的に、不正な引出しを発見した被害者は、まず信用金庫の支店に相談します

金融機関の不祥事の多くが「顧客からの問い合わせにより発覚した」と説明するのはこの部分です。

相談を受けた金融機関では、該当する職員を呼び出して事実関係をヒアリングします。

余談ですがこの際、かなり注意しないといけないのは、職員を責めることは決して良くないのです。

なぜなら、聞き取り後に自殺してしまう例がかなりの高確率で発生してしまうからです。

もしも、今回、被害者が警察署ではなく、信用金庫に相談していたらどうなっていたでしょう?

これまでの取材事例を照らすと、信金側で事実関係を精査し、また被害者にはすぐに弁済するでしょうから、事実の公表は、やはり一ヶ月後くらいになったでしょう。

そして、被害金額から弁済は問題なく行われるでしょうし、職員も反省するでしょうから、着服事件として公表されますが名前は非公表で、かつ、刑事訴訟にまでは至らなかったのでは、と感じます。

ただし、被害者の数や被害金額が今回報道された100万円ならば、が前提です。

全国の金融機関で着服事件は発覚していますそして、これまでブログで紹介した北陸銀、福邦銀、宮崎銀、長野信金、福島県商工信用組合などの金融機関は、みな頭取や理事長が率先して「会見」を行っています

事件の詳細を把握してから、瀬戸信金は会見を開くつもりだったのでしょうか?

記者会見を開くための一律的なルールや判断基準はありません。

①金庫内での告知②取引先への周知③ニュースリリースでの外部公表 

再発防止機能は?

瀬戸信金はかつて、2007年に厳しい行政処分を受けています。

この厳しい処分を乗り越えて、新たなスタートを役職員で誓ってきました。

預金や貸出金の最近の伸びを見ても、職員の皆さんが頑張っているのが見えていましたし、応援してました。

その後、職員は余罪が発覚し、再逮捕されてしまいます。

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2月10日に「重要なお知らせ」をホームページに掲載

2月10日に「重要なお知らせ」のタイトルで、発表文をホームページに掲載しました。

1月末に発覚した職員の逮捕を受けて、12日から開始する具体的な対応策を策定したものです。 そして、この事件は2月21日に新たな展開を見せました。

 重要なお知らせの中身は? 2月12日から開始すると明言した「重要なお知らせ」はこちらです。 http://www.setoshin.co.jp/topics/index.files/2.2.10seto_jyuyo_osirase.pdf

今回、職員が窃盗で逮捕されたのは、80代の女性顧客から預かったキャッシュカードを勝手に使って、お金を引き出した容疑です。そのため、瀬戸信金は従来の顧客サービスを一部取りやめて、「お客さまからキャッシュカード、ローンカード等を一切お預かりしないことといたしました 」と対応したのです。

  お知らせの中に、「 キャッシュカード、ローンカード等の再発行や解約、変更(名義変更、デザイン変更など)の際は」とわざわざ事例を提示したのは、今後の渉外活動で支障となるケースも想定したのでしょう。

つまり、法人先で従業員の給与振込口座などを新規に獲得した場合に通帳とキャッシュカードを預かったり、持参しなければならないので、わざわざ再発行や解約、変更に絞っているのです。

 

6月1日にこの事件の初公判が開かれました。詳細はこちらから⇒

 

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本日もブログを読んでいただき、ありがとうございました。

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