銀行員におすすめ本 【アマゾン銀行が誕生する日】

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銀行員におすすめ本 【アマゾン銀行が誕生する日】

金融庁、財務省、日銀と各記者クラブを歴任した金融専門分野の記者であった私が

いま銀行員に読んでほしい本を紹介します。

2023年4月、世界を驚かせたニュース、それはアップルが新しい預金サービスを始めるという内容でした。

いよいよ「アップル銀行」誕生です。

今、なぜこのタイミグでアップル銀行ができ、何をしようとしているのか?

ニュース記事を紐解きながら解説し、

さらに、追随するであろう「アマゾン銀行」について

書籍を紹介しながら内容を分析したいと思います。

アップルやアマゾンが銀行を作り、それが日本に上陸すると何が起こるのか?

日本の地方銀行や信用金庫、信用組合の生存にも関わる黒船襲来です。

その時、日本のビジネスマン、バンカーはどうするのか?

皆さんお気づきではないかもしれませんが、外資系銀行は、日本に拠点をイチから

作ろうとせず、合併によって、いきなり誕生するアイデアもあります!

そう、三菱UFJ銀行が、明日から三菱アップル銀行になる可能性も秘めています。

ついでに言うと、三井住友メタ銀行だって、ありえます!

黒船襲来の影響はなにか、まずは情報収集から始めましょう。

「アマゾン銀行が誕生する日」が今読まれる理由

つまり「アップル内ですべて完結」

わたしたちの生活にとって、ネット空間は欠かせないものになっている。つまり、ネット世界は公共の場としての性格を強めている。

IT先端分野を中心に、ビッグデータを手に入れて新しい需要を創出し、成長を加速させようとする企業は世界全体で増えているが、IT先端分野ではSNSやサブスク型のビジネスモデルが行き詰まっている。音楽配信などの分野でも競争激化は鮮明。

類似のサービスが増えることによって、アップルにとって当該分野のうまみは薄まっているが、 新しい需要を創出して高い成長を実現するために、アップルにとって金融サービスを強化する意義は大きい。

アップルが預金口座に4.15%という高い利回りを設定した狙いは、急速にユーザーを増やしてより多くのデータを個人情報に配慮しつつ獲得し、その利用の可能性を模索することだろう。

アップル銀行が日本に上陸できない理由

しかし、「アメリカと同程度の金利はとても望めない」としても、日本の金融機関の倍の預金金利を提示して、一気にアップルカードを市場に拡大させて、リボ払いの高い金利手数料を得るビジネスモデルを展開すれば、十分勝算は見込めるのではないでしょうか?

荻原博子さんは、アップルが決済機能まで持つ銀行を日本に作る発想ですが、為替や住宅ローンなど一部の貸出機能を持たない銀行なら、十分、設立は可能です。

かつて、ジャパンデジタルコンテンツ銀行という決済機能を待たない銀行が設立された事例もあるのですから。

アップルの預金サービス開始は、ビッグデータの重要性が一段と高まり、その獲得のために金融ビジネスに妙味がある、という旗印を世界のIT先端企業に示しました。

アップルに続き、アマゾンやメタでも預金、資金運用など金融分野での事業運営体制を強化し、ユーザーを囲い込んでシェアを高めようと考えるでしょう。

その問いに明確な答えを出してくれるのが「アマゾン銀行が誕生する日」です。

同書によると

アマゾンが銀行業に参入する場合は預金業務と決済業務を開始。

アマゾン独自の仮想通貨を基軸に、アマゾン経済圏を拡大する戦略を展開する。

ビックデータとAIを組み合わせた、AI銀行として、世界に震撼をもたらすのです。

アマゾン銀行の強み  アレクサが窓口係に

リアルな支店やスタッフ、システムをもたないデジタルバンクの登場は、ネット上の銀行店舗に顧客を誘導し、アマゾンコインを通貨に、世界中の人が国境を超えて取引する巨大バンクに成長する恐れもあるのです。

音声AIアシスタントの「アレクサ」が窓口係の役目を果たします。

アレクサを搭載した自動運転自動車が、その走行距離に応じた自動車保険を販売します。

顧客の商流(どんな時季にどんなものを買ったか)を把握し、物流もよく知る銀行とは、

従来の日本の銀行にない「信用情報」を使った貸出も可能になります。

伝統的な担保主義に依存してきた銀行は、すでに時代に取り残されるだけです。

先進的な銀行を営もうとすれば、中国のアリババと組んだレンディングを実施したほうが

はるかに収益を拡大する手を打てるでしょう。

読者レビューを読んでみると

早速読者のレビューを紹介します。

金融からキャリアをスタートし、「ストラテジー&マーケティング」と「リーダーシップ&ミッションマネジメント」を専門とする著者ならではの本書。金融ディスラプターや既存メガバンクを、金融を出自にする者ならではの視点から本格的かつ冷静に考察しています。

登場するプレーヤーは・・・

・アマゾン(米国)
・アリババ/アントフィナンシャル(中国)
・テンセント(中国)
・楽天(日本)
・LINE(日本)
・ヤフーソフトバンク連合(日本)
・SBI(日本)
・ゴールドマンサックス(米国)
・JPモルガンチェース(米国)
・MUFG(日本)
・みずほFG(日本)
・SMBC(日本)
・DBS(シンガポール)

金融ディスラプターと既存金融機関の総勢13社。これらプレーヤーについて丁寧な解説がされている点、次世代金融産業のランドスケープを広く見渡せる点、まさに圧巻です。

ところで、序章の「鈴木さんの2025年4月の近未来ストーリー」。「1人ひとりの個性や強み、その人のライフスタイルやワークスタイル、そして信頼という本来最も重要な価値が評価される、新たな金融システム」の一端が東京の四ツ谷を舞台に描かれています。金融産業とは重厚で厳格なもの、ビジネスに変革の波が押し寄せるなかでも金融だけは特別、そんな発想は吹き飛んでしまいます。

お金が価値をはかる尺度であったり、交換・決済機能を持つ限り、金融は厳格なものという思想そのものは変わらないと思っています。しかし、著者は、そのような思想が、不便、時間がかかる、わかりにくい、フレンドリーでないなどの「当たり前だったこと」になっていたとします。そして、カスタマーエクスペリエンスの視点から、便利、時間がかからない、わかりやすい、楽しいなど「新しい当たり前」が次世代金融産業を生き抜くカギとなるとします。

「当たり前だったこと」の変革を迫られるのは既存金融機関。「新しい当たり前」を次世代金融産業に取り込むのがメガテック企業。この両者の戦いを、次世代金融産業を巡る戦いの構図として最初に挙げている点は明快です。

「顧客接点やカスタマーエクスペリエンス、顧客との継続的で良好な関係性」は、著者が次世代金融産業を分析・考察するにあたっての最も重要なレンズとなっています。次世代金融産業ではこれを巡る戦いが繰り広げられる。そして、だからこそ、次世代金融産業では「すべての産業の秩序と領域を定義し直す戦い」によって、「金融そのもの」の創造的破壊や破壊的創造を通して、「覇権を握るのは大手金融機関でもテクノロジー企業でもない可能性すらあるかもしれない」としています。

こういった次世代金融産業の「戦いの構図」のもと、著者が投げかける問題意識のなかで最もストンと納得したのが、「金融はもはや「Duplicate(擬似的に創造)」できる」こと。そう!金融はテクノロジーを使ってもはや擬似的に創造できるもの。だから、もはや、金融は特別でも例外でもない。既存のメガバンクでさえ、金融ディスラプターとのし烈な競争にさらされるのです。金融ディスラプターはプラットフォームのなかに三大機能(商流・金流・物流)をもっています。著者は、このことが、例えば既存金融機関が及び腰になっている「本当に資金を必要としている人」、あるいは中小・零細企業への融資に際しての裏付けとなるとしています。

著者は、本書の結びで、序章の「鈴木さん」が利用した金融サービスを「新たな社会における、新たな価値や価値観を表象する、新たな金融システム」として、それを「金融4・0」と呼びます。「金融4・0」では、各プレーヤーには「新たな金融ビジネスにおいてどのような存在となるのか」というグランドデザインの提示が求められる。「金融4・0」の社会は、人が本当に持っている「信頼」が重視され、それが本当に評価される。「金融4・0」では、新たな金融テクノロジーは人が本来大切にしてきた価値や価値観で生きることができるようにすることを支援するために使われるべき。これらの主張は、著者のキャリアや専門性を総動員した日本への鼓舞にも思えます。

AI、ビックデータ、フィンテックとホットキーワードが並ぶ昨今、国内外のメガバンクは自身の経営方針の大きな舵取りを迫られている。
それはGAFAやBATを台頭されるテクノロジー企業が自身の領域を侵食し始めているから。
本書では日本のメガバンクについて触れ、現在の取り組みから将来のあり方を予想している。
印象的なのは、上述したテクノロジー企業とメガバンクの価値観の大きな隔たりだった。
顧客第一主義を徹底し、金融業務は各自の経済圏の入り口に過ぎないテクノロジー企業に対して、あくまでフィンテック企業と協業・吸収を経て時代に迎合するような戦略のメガバンク。
シンガポールのDBS銀行のように会社の芯までデジタル化するという信念がない限り、中途半端な対応になり、来たるAI時代に主要業務が取って代わられるような印象的だった

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