新型コロナ対応で金融界が手一杯になっていますが、着服や下着窃盗で銀行員と信金職員がそれぞれ逮捕されています。
9月4日 2つの信金で職員が事件に
毎日新聞の記事によると
顧客から預かった定期積金の掛込金など1334万6000円を着服していたとして、群馬県の高崎信用金庫(新井久男理事長)は4日、男性職員(33)を懲戒解雇処分にしたと発表した。処分は8月14日付。経営責任を取り代表理事3人の役員報酬について、理事長は10%(2カ月)、専務理事と常務理事はそれぞれ5%(同)を減額する。 同金庫によると、元職員は2018年8月~今年6月、営業担当をしていた個人や法人の定期預金、定期積金、普通預金計50口の解約金や払戻金、掛込金などを入金せずに着服したとされる。同金庫の調査に対し、元職員は着服を認め、「パチンコや競輪で使用した」などと話しているという。17年10月に着任した高崎市内の支店で着服を重ねていた。 元職員と家族、親族が全額を弁済したことなどから同金庫は刑事告訴しない方針。
役員の報酬カットまで踏み込んでいる記事です。一般紙と違って、実額の着服金を書いているので、他の報道と1千万円ほど横領額に差があります。
しかし、1300万円あまりの着服を全額返済したからといって、刑事告訴しないのは、かなり温情です。普通は後日逮捕されるケースです。瀬戸信金は4千万円を超える着服(窃盗)でしたが実刑判決でした。
しかも、職員の処分は8月14日付なので、どうして発表まで半月もかかったのでしょうか?役員の処分を決めていたというのは言い訳になりません。事件発覚も6月25日ですから発表まで二か月以上もかかっています。
もうひとつ、9月4日の事件。
千葉県内の信金職員が下着を盗んで逮捕
秋田銀行の支店に勤務していた36歳の元行員が、去年5月、顧客から依頼されたように装い、顧客の口座から、不正に開設した第三者名義の口座に送金させ、銀行が管理する300万円をだましとったなどとして、詐欺などの疑いで逮捕されました。逮捕されたのは、秋田市保戸野すわ町に住む秋田銀行の元行員、藤盛澄香容疑者(36)です。
警察によりますと、藤盛元行員は、去年5月、秋田市にある秋田銀行の外旭川支店に勤務していた際、銀行の同僚に対し、顧客から依頼されたように装い、顧客の口座から不正に開設した第三者名義の口座に送金させ、銀行が管理する300万円をだましとったなどとして、詐欺などの疑いが持たれています。調べに対し、「間違いありません」などと話し、容疑を認めているということです。藤盛元行員について、秋田銀行は去年11月、顧客の預金から繰り返し現金を不正に引き出し、平成27年12月からおよそ4年間に、あわせて2400万円余りを着服したとして、懲戒解雇の処分にしています。
警察は、事件のいきさつを詳しく調べることにしています。元行員の逮捕を受け秋田銀行は、「地域の皆様にご心配とご迷惑をかけ、心からおわび申し上げます。今回の事件を厳粛に受け止め、行員のコンプライアンス教育などの再徹底に取り組んでいて、今後も内部の管理態勢のいっそうの充実や強化に努め、信頼回復に取り組みます」とコメントしています。
昨年5月に事件を実行し、その後の銀行の調査で被害額が判明したところで解雇され、およそ一年後の逮捕です。
総額は2400万円ほど。高崎信金は全額返済を理由に刑事事件はしない方針なので、金融機関と事件性によって対応は分かれて来るのでしょう。
コメント